化石燃料について

概要

現在使われている主なものに、石炭、石油、天然ガスなどがある。また近年はメタンハイドレートなどの利用も検討され始めている。 上記はいずれも、かつて生物が自らの体内に蓄えた昔の炭素化合物・窒素酸化物・硫黄酸化物・太陽エネルギーなどを現代人が取り出して使っていると考えることができる。 (ただし、石油・天然ガス・メタンハイドレートに関しては、石油無機成因論に代表されるように、はじめから地球深部に含まれていた炭素の湧出・濃集がそれぞれの成因であると考えられ始めている。) いずれにせよ、これらの燃料は燃やすと二酸化炭素 (CO2) 、窒素酸化物 (NO, NO2, N2O4) 、硫黄酸化物 (SO2) などを発生するが、これらが大気中に排出されることにより、地球温暖化や、大気汚染による酸性雨や呼吸器疾患などの公害を引き起こすため、深刻な環境問題を引き起こす要因になっている。また、資源埋蔵量にも限りがあるため持続性からも問題視されている。 そのため現在は一部で原子力発電が使われているほか、これらの環境問題が発生しにくいバイオ燃料(バイオマス)、太陽光発電、風力発電、地熱発電などの新エネルギーの研究が進められて、一部は主に西欧諸国やブラジルなどで実際に使われはじめている。

化石燃料の使用が引き起こす公害・環境問題

化石燃料を使用する際、エネルギーを取り出した後に残る二酸化炭素や、不純物として含まれる窒素酸化物 (NOx)・硫黄酸化物 (SOx) などが、いずれも気体や粒子状物質として排出されるが、それらが大気中に放出されることにより、次のような様々な環境問題を引き起こす要因となっている。 酸性雨 [3] [4] 1940年代の北欧では、窒素肥料を施さずとも作物の育ちがよくなる現象が見られるようになった。当初は農家も「天の恵み」だと喜んでいたようだが、じきに湖や川から魚が姿を消し、千年雨に打たれても平気であった遺跡の石塀や、教会のブロンズ像などがボロボロになっていったという。 これらの現象が調査されるうち、雨水の変質に原因を見ることとなった。当地域では、通常よりも遙かに酸性度の高い、pH 4〜5 もの酸性雨が降っていたことが明らかになったのである。スウェーデンの土壌科学者 S・オーデン (Svante Oden) 博士がその影響を広範囲に調べたところ、大気中の亜硫酸ガスや窒素酸化物が硫酸や硝酸に変化し、それが溶け込んで強酸性の雨や雪が降ったことを突きとめ、1967年に発表した。その変化の過程は極めて複雑かつ多岐にわたるものと想定されており、その詳細な過程は今なお明らかになっていない。 現在では、一般に pH 5.6 以下で酸性雨と定義されているが、たとえば日本では東京など南関東の自動車交通過密地帯で排出される自動車排気ガスからの窒素酸化物・硫黄酸化物が丹沢山地や奥多摩に酸性雨を降らせて樹木の立ち枯れを進めていると考えられており、森林破壊や土壌汚染の一因になっている。 呼吸器疾患 化石燃料に含まれる硫黄酸化物および窒素酸化物の残渣である粒子状物質は、気管支喘息の最たる原因物質と考えられており、工業地帯からの排煙が四日市ぜんそくをはじめ各地で深刻な公害を引き起こすこととなった。これは水俣病など他の公害と同様、排出者が因果関係を認めなかったことや経済発展を優先する政策の煽りを受けて、公害認定まで数年間を要することとなり、四日市市では被害者に対し独自に医療費補填を実施するなどの対策を行うこととなったが、ようやく国が動きだした頃には自治体が対応しきれない程の被害者数になっていた。 その反省を受けて大気汚染防止法が施行され、工場排煙については脱硫装置の設置が義務づけられるなどの対策が進んだことにより、日本国内の工場排煙に限っては新たな被害が発生しなくなっているが、発展途上国などではそのような規制が整備されていない地域も多くあり、同じ問題が各地で繰り返されている。 一方、自動車燃料として大量に使われ続けているガソリンや軽油などについては、費用がかかるという理由で脱硫が完全に行われない状況が今なお続いている。 かつて京浜工業地帯からの排煙により深刻な喘息公害に見舞われた川崎市では、以前は臨海部(公害病第一種指定地域、昭和63年度に解除)で喘息被害者が多かったものの、近頃では北部地域で「小児ぜん息医療費支給制度」適用者が急増するという現象が見られるようになった[5]。また、その分布が主要幹線道路周辺に多いことも判明する。これは、かつては工場からの排気が主因であった喘息公害の原因が、現在は自動車からの排気ガスに替わっていることを示している。かつての四日市喘息の時などと同様、「証明されていない」という理由で国や産業界では具体的な対策が取られない状況が続いているが、事態のますますの悪化を受けて市では喘息医療費の助成制度の対象地域を市内全域に拡大し、小児ばかりでなく成人も対象にするなどの対策に追われることとなった。川崎市では地勢的に通過交通が多いなどの要因はあるものの、もちろん大気汚染の問題は当市に限って起きている問題ではなく、全国の都市部で深刻な問題になっており、日本だけでも気管支喘息による死亡者が年間3千人を超え、200万人以上が苦しめられている。 自動車などにより引き起こされた新たな外部不経済が一般住民の健康や税金を蝕んでいる問題には、解決の兆しすら見えない状況が今も続いている。 地球温暖化 炭素ガス発生源とその量の推移。発生源とその影響を受けると想定される地域は必ずしも一致していないことや、後世に遺る長期的な問題であることが、当事者の危機意識を薄れさせている。二酸化炭素は現在の濃度であれば人体に直接害をなすものではないが(二酸化炭素#毒性を参照)、大気中に留まると温室効果ガスとして働き、太陽からもたらされるエネルギーを宇宙へ放出する循環経路に支障を来たし、20世紀中に気温を 1.7℃上昇させ地球温暖化問題の一因となっていることが指摘されている[7]。 太古の昔に原始生物が長時間かけて固定し地中深くへ閉じ込められた二酸化炭素を、現代人が 100年あまりのうちに大気中に戻してしまったことになるため、気温上昇幅もさることながら、急激すぎる変化の影響は想定することすら出来ていない。 [8] 二酸化炭素の回収・固定は技術的に困難なため、設備や運用方法の改善や効率化、エネルギー消費量の抑制などで対策が迫られている。 拡散性・非帰属性 化石燃料の消費によって起こる大気汚染には、発生者・地域と被害者・地域が一致しないという問題もある。大気は地球全体でつながっているため汚染は広範に拡がり、しかも地形や気流などにより特定の地域に被害が集中しやすい。 たとえば前述の北欧での酸性雨も、工業地帯から遠く離れた農村部でまず被害が起こった。また喘息公害でも、たとえば自動車を使わない選択をしたとしても被害を免れることができない上、喘息の苦しさは目に見えるものではないため、自動車に乗っている者には被害者の痛みが伝わらず被害実態が理解されにくいという矛盾が、事態の悪化が放置される一因となっている。 地球温暖化については、二酸化炭素の排出量は北米などの中緯度地域に偏重しているが(右グラフを参照)、真っ先に影響を受けるのは北極・南極などの極地や太平洋諸島など、ほとんど二酸化炭素を排出していない(つまり化石燃料の消費による利益を得ていない)地域でまず深刻な事態が起こると想定されている。また深刻な影響が出るのは数十年後からと想定されているため、現役世代の生活への支障は限られ、政治的にも危機意識が共有されにくいという問題もある。 近年になりようやく問題を把握することのできた国際社会では、その影響の拡大を食い止め抑制するために気候変動枠組条約を締結、京都議定書により化石燃料から出る廃棄物など温室効果ガスの排出量削減を約束することとなった。西欧諸国ではその目標に向けて行動しているものの、自国の経済発展が最優先と考えるアメリカ合衆国や日本などでは依然として対策が進まない実情がある(京都議定書を参照)。





[PR]  わきが 加齢臭 ボウリング 投げ方 薄毛 プラセンタ 性病検査 dodaナース マカ ムダ毛処理 メタトレーダー シストレステーション デルマq2 デート メタトレーダー



出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』